最後の話なんだけど
この部屋を
手放すことに決めたんだ
え!
今すぐじゃないから安心して!
どうしたの急に？
これから先の未来について
ずっと考えてたんだよね。
必ず2人とも独立するか結婚して
この部屋を出るから
どう考えてもこのまま3人
一緒に暮らし続けるなんて
ことはありえない。
そうだね
2人がいなくなって
この広い部屋に
また1人で生活してたら
気が狂っちゃうから
絶対に嫌なんだよ。
彼女と暮らせばいいじゃない。
結婚するかもしれないし。
あいつらがすぐ近くにいる状態で
結婚生活なんか送りたくないし
絶対にエントランスとかで
出くわすじゃん？
彼女だって絶縁状態の姑が
すぐ近くに住んでるなんて
地獄でしょ？
確かにそれは可哀そうすぎるね。
だから今後起こりえることを
色々考えたらこの部屋は
手放したほうがいいなって
思ったんだ。
なるほどね
たしかにずっと住んでても
しょうがないかもしれないね。
この部屋を売ったとしても
年数が経てば価値は
下がっていくから買った金額では
絶対に売れないと思う。
それでも2000万以上のローンを
あと30年払い続けるんだったら
手放して数百万の差額を
返していくほうが楽だし。
彼女と力を合わせれば
ここよりも良いとこに
部屋を借りれるかもしれないし。
借りるの？
買うんじゃないの？？
あんまり考えたくないけど
離婚した場合は財産分与で
揉めるから賃貸にしておけば
どっちかが出ていくだけで
済むから悩みの種が1つ減るのよ
結婚する前から
離婚すること考えてるの？（笑）
考えるよそりゃ！
母親とも上手くいかないのに
他人となんてもっと
上手くいかないと思うもん。
結婚も離婚も紙一枚なんだから
たしかに（笑）
そりゃそうだわ!
だからこの部屋を
手放すことにしたんだ。
そっかその通りだね
それでいいと思うよ。
でもなんで今日は
色々と話をしようと思ったの？
2人が来てちょうど
1年になるからね
これまでの生活と
自分の人生を振り返ったんだ。
えらいね
自分の人生を
振り返ったこともないわ
それにさ俺も
来年には30歳になるんだよ
たしかになー
お姉ちゃんだって
再来年には30歳になるじゃん(笑)
そうだわ（笑）
もう悠長に考えてらんないの。
今後なにか起きてから考えれば
いいやなんて思ってたら痛い目見る。
実際に俺はこの家を買ったときは
先のことなんて何にも考えないで
買った結果がこれだから。
母親が男作って家を出て行って
家族が壊れるなんて
想像もしてなかった。
たしかにね
2人とも俺みたいに
なりたくないでしょ？
・・・
・・・
いいんだよ
そう思うのが普通だよ。
だから2人とも自分の未来を
なるべく具体的に
考えなきゃダメなんだよ。
流れに身を任せてたら
本当に痛い目見る
こんなはずじゃなかったって
後悔するから2人には
絶対にそうなってほしくない。
だから今日はどうしても
3人で話がしたかった。
そうだったんだね。
・・・・私は4月で仕事辞める
え？そうなの？！
もう嫌になっちゃったんだよね。
派遣だから簡単に首切られるし、
そもそも社員じゃないのに
ノルマ課せられて営業しなきゃ
いけないのがほんとにやだ。
上司も頼れる人だと思ってたけど
言う事コロコロ変わるし
自分の立場のことしか
考えてない人だから
そういうのもあって
辞めることにした。
いいと思うよ
でもこれからどうするの？
まだ決めてないけど
自分で何かやりたいんだよね。
組織に属してるのが向いてない。
何回も仕事変えてるし
今回のことではっきり分かった。
4月まで日数がないけど
しっかり考えてやっていけばいいよ。
でも全く働かないのはやめて。
さすがにニートを養う余裕はないよ。
働く働く！
それはないから安心して。
しっかりやること見つけるから。
わかったよ
あんたも来年就活だから
しっかり考えないと。
わかってる。
まだ決まってはないけど
大体どういう方向に
しようかは決まってきてるんだ。
そうなんだね。
これから先生にいっぱい相談して
職業体験でいろんな職場に
行ってくるといいよ。
あと1年の間にきっと見つかるから。
うん、頑張るね
話はこれで終わり。
長々とごめんね。
今日は時間を作ってくれて
ありがとう。
これからもよろしくね。
こっちこそありがとう。
今まで色々やってくれてありがとう。
お兄ちゃんありがとう。
お金、無駄遣いしないからね。
この家族会議を経て3人の絆が深まり、いい意味で私も2人を頼るようになった。
2人の涙を見たとき、2人の中で何かが変わったと思った。
あの涙は絶対に嘘ではなく心から溢れ出た本物の涙だと確信できた。
きっと今後の考えを変えるものになったと思うが、2人は特に変わった様子はない（笑）
でもそれぞれ自分のこれから先の未来について考えてはいるみたいなのでそれだけでも家族会議をして良かったと思う。
私が困ったとき2人は必ず助けてくれる。今は2人のことをとても心強く感じる。
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