和解してから母と妹たちは頻繁に私の部屋に来るようになり、会っていなかった時間を埋めるように一緒に過ごしたが、夜になれば3人は課長の部屋に戻ってしまう。
一緒に暮らしたいと思うが、生活費や次女の学費も課長が負担しているというので私と一緒には暮らせないようだ。
ある日、呼び出されて課長の部屋に行くと母が課長と待っていた。
ご迷惑をおかけして
すみませんでした。
これから仲良くしましょう。
課長と1年ぶりに再会し、握手を求められた。
(こいつさえ現れなければ・・・)
(でも俺の負けなんだ・・・・・)
母からのショートメールがきっかけとはいえ、1人でいることに耐えられずに自分から歩み寄った
家族に会うためには家族を壊した張本人である課長に取り入るしかない。
私には課長のような財力と経済力がないので豊かな暮らしを家族に与えることはできないから課長から家族を取り返すことができない。
課長に負けた。
屈辱的で心底悔しかったが握手を拒否することはできなかった。
そんな私と課長の姿を
母は満足そうに笑って見ていた。
それからは家族で食事をするとき課長も必ず同席するようになった。
顔も見たくない課長と顔を合わせての食事。
聞きたくもない課長の話を聞かなければならない
嫌だけど拒否することができない。
拒否すれば家族に会えない。
悔しさが押し寄せるのに1人でいることの寂しさに耐えられず家族に会えるからそれでいいと思えてしまうので逆らうこともしなかった。
逆らわないことをいいことに課長は酒をやめていることを知ったうえで平日でも構わず私を飲みに誘うようにもなり、そこでは決まって母の愚痴を聞かされた。
お母さんはなんであんなに
キレやすいの?
この前もLINEの返事が
遅いだけでキレられたんだけど
なんででしょうね?
昔から些細なことで
怒る人ではありましたけど
そうなんだ。
それとさ、この前お母さんに
○○○してみたら
すごい感じてて喜んでたんだけど
ほんとに喜んでるのかな?
・・・・・
わからないです
そうなんだ
でもお母さん
ほんとに凄かったんだよ!!
・・・・・
気持ち悪くなってトイレへ駈け込んで吐いた。
聞きたくもない母の趣向の話を聞かされ続け
知りたくもない事実を課長から聞かされる。
ダル絡みをされても愛想笑いを浮かべるしかなく近所だからと深夜まで付き合わされる日々。
それでも断ることのできない自分でも呆れるほど無様な自分。
そうでもしないと家族に会わせてもらえないので課長に取り入ることしかできない無様な生活を送り続けていたある日、次女からLINEが届いた。
来週からお兄ちゃんと
一緒に住むことにした。
次回は「母と課長から受け続けた苦痛の1年間を涙ながらに話してくれた次女」を来週金曜日に更新します。
コメント