2020年11月7日(土曜日)
妹たちが引っ越してくる日なのに私は仕事へ行かなければならなかった。
昼休みに連絡を入れてみると全く作業が進んでいないとのことだったので上司に黙って仕事をサボり、課長の部屋へ行くと妹たちは自分たちが集めていたジャニーズの雑誌を読むことに夢中になって何も作業をしていなかった。
少し呆れたが、それよりも課長と母の姿が見えないことが引っ掛かった。
あいつらは?
湯河原に温泉旅行に行ったよ
引っ越す日に
温泉旅行に行ったの?
そうだよ。
手伝えないけどごめんねーって
ニコニコしながら行っちゃった。
なんだよそれ。
あとママから生活費って
言われて3万円渡された。
これから毎月渡すって。
いらないよ
使う気もない。
何があるかわからないんだし
貰っておきなよ。
妹たちが家を出るというのに温泉旅行に行っている2人にはさらに呆れた。
やはり課長と母は妹たちのことなど眼中になく自分たちの欲望を満たすことしか頭にないようだ。
生活費も受け取ったが、使う気にもなれないので後で突き返してやろうと思った。
課長と母のことは気にせずに黙々と作業を進めて夕方にはすべての荷物を運び出して引っ越しを終わらせることができた。
母を除いて1年前と同じ状態に戻り、かなり歪な形で私たち兄妹は親元から離れた。
引っ越しが終わって一息つきたかったが仕事中だったことを思い出し、慌てて会社に戻ると机には書類が山積みにされていたのでサボっていたことを後悔した。
山積みの仕事を終わらせて閉店時間ギリギリのスーパーに駆け込んで買い物をしてから帰宅すると2人は運んだ荷物を片付けもせずにジャニーズのBlu-rayを見ていた。
また呆れてしまったが家に帰ると真っ暗で誰もいないことが普通だったのが電気が点いていて妹たちがいることにホッとした。
ジャニーズを見ながらニヤけている2人を横目に夕飯を作りながら、これからはこんな賑やかな生活になるんだとしみじみ感じる。
3人揃って食事をするのも久々だったが、やはり1人で食事するよりずっと美味しく感じた。
お金や家事のことで不安があっても踏ん張っていこうと改めて決意し、新生活がスタートした。
次回は「妹たちとの生活は想像以上に大変・・・でも2人がいるから3倍に増えた家事も苦にならない!」を来週金曜日に更新します。
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