仕事から帰ると妹たちの荷物が置かれていた。
長女と次女にはそれぞれ部屋の鍵を渡して自由に出入りして良いと伝えたらすぐに荷物を運び始めたのだ。
だんだん荷物が増えていくのはあの時とは真逆の光景。
3人での生活がもうすぐ始まると実感するし2人が帰ってきてくれるのがとても嬉しい。
だが正直に言うと嬉しさよりも不安が大きく、なかでもお金と家事が大きな悩みとして重くのしかかってきた。
お金の面は暮らしている人間が1人から3人に増えれば光熱費と食費も3倍に増える。
しかも妹たちは節約志向の欠片もないので電気や水道はじゃんじゃん使うタイプの人間。
月に20万円以上の支払いをしながら3倍に増える光熱費と食費を払うことができるのかが不安で仕方がない。
そして家事もお金と一緒で負担が3倍に増える。
毎日夜明け前に起きて3人分の弁当作りから始まり、洗濯、掃除、食材の買い出しと夕食作りを必ずやらないといけない。
1人だと洗濯しなかろうが、食事もインスタントだろうが自分さえ良ければ気にならないが、3人で暮らすとなればそうはいかない。
しかも妹に家事が嫌いだからやらないと宣言され、それを了承してしまっているので手伝ってもらうこともできない。
この1年間で1人暮らしに慣れていた私にこれだけの量の家事をこなしながら仕事と両立できるのか、そして両立させるためのお金を工面できるのか、考えれば考えるだけ不安が増して気が重くなっていた。
自分から一緒に暮らそうと言った手前、不安で仕方がないなど妹たちに言えるわけがない。
なによりも課長から妹たちを取り返すことができたから課長と暮らしていたときよりも良い暮らしができていると思ってもらいたい。
お金に関しては長女も生活費を負担してくれるし、私の仕事は宿直手当が支給されるので宿直日を増やせばなんとかなる。
家事だって今までやってきたことの分量が増えるだけで大したことはない。
不安はあるけれど3人での生活を楽しみながら維持できるよう全力を尽くすしかないと心に決めた
次回は「妹たちが帰ってきた日-兄妹3人での新生活のスタート-」を来週金曜日に更新します。
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