父に会いに行ってから1ヵ月が経ったが全く音沙汰がないうえに、母にはまったく口を利いてもらえなかった。
朝から夜までずっと無視され続け、話しかけても何も答えてもらえないうえに私の分だけ食事の用意をしてもらえない。
まるで私だけが存在していないかのように平然と振る舞い、妹たちとは普通に接してニコニコ喋っている母の姿がとても怖かった。
自分の家なのに自分が存在しちゃいけないという居心地の悪さが本当につらく、離婚届を渡すことを押し付けられたうえに何故こんな目に合わないといけないんだろうと悶々とした日々が続いたが、突然終わりを迎えた。
あいつから郵便が届いた!
郵便?中身は?
離婚届!
ちゃんとあいつの名前と
ハンコが押してある!!
1ヶ月以上も口をきいてもらえなかった母に突然話しかけられたのには驚いたが、離婚届を確認するとそこにはたしかに親父の名前が書かれていて、ハンコも押されていた。
あいつに電話したの
え?
ほんとに今さらなんだけど、
ちゃんと話をしなきゃと思って。
珍しくすぐに電話に出たよ。
今までごめんって言ってた。
親父が謝ったんだ。
うん。
今まで子どもたちには
父親らしいことが
できてなかったし、
良くない父親だったと思う。
息子に土下座までさせて
本当に悪いと思ってる。
あの姿を見たら自分も
ちゃんと応えないと
いけないって言ってた。
ごめんね、全部押し付けて。
土下座までしてくれたのに
自分のことを棚に上げて
怒ったりして。
もういいよ、離婚できて良かったね。
ここまで長かったね。おめでとう。
それからすぐに妹たちも帰ってきたので親父から離婚届が届いたことを伝えると2人ともすごく喜んでいた。
ママ良かったね!
やっと自由になれるね!!
おめでとう!!!
おめでとう!
ありがとう
調停を申し立てようが弁護士を雇おうが全く進展がなかった離婚がついに成立した。これまでの母の苦労を知っているので、泣いて喜んでいる母の姿を見ていたら逃げたことや逆ギレされたことなんてどうでもよくなってしまっていた。
しかし、これから本当の意味で家族4人での生活が始まるので私が家族を支えていかなきゃいけないんだと気が引き締まった瞬間でもあった。
次回は「父に対して思うこと。」を来週金曜日に更新します
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